監修:弁護士 佐藤 都(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)
自転車やバイクの事故で転倒し、とっさに手をついて手首を骨折した。骨はくっついたけれど、手首を反らすと痛む、ドアノブを回しにくい。手首の骨折(橈骨遠位端骨折)は、交通事故でとても多いけがです。
手首の骨折の後には、動く範囲の制限、痛み、骨の変形などが残ることがあり、後遺障害として認められる可能性があります。この記事では、認定される可能性がある等級と、認定のポイントを解説します。
こんな疑問はありませんか?
- 手首が以前より曲がらなくなった
- 手首の痛みが続いている
- 何級が認められる可能性がある?
- 小指側が痛い(TFCC損傷と言われた)
この記事でわかること
- 問題になる後遺障害
- それぞれの等級の基準
- 認定のポイント
- TFCC損傷について
問題になる後遺障害
| 可動域制限(10級10号・12級6号) | 手首の動く範囲が、けがをしていない側と比べて2分の1以下(10級)、4分の3以下(12級) |
|---|---|
| 痛み(12級13号・14級9号) | 骨折した部分の痛みが残っている |
| 変形(12級8号など) | 骨が変形したままくっついている |
認定のポイント
- 手首の曲げ伸ばしなどの角度を、医師に決められた方法で測ってもらう
- 動かない原因(骨の変形、関節面のずれなど)を、画像で確認する
- 握力の低下や、日常生活で困っていることを記録してもらう
- リハビリの経過を、記録に残す
→ 詳しくは「関節が動かしにくくなった(可動域制限)の後遺障害」
POINT 手首の可動域制限は、手のひら側・手の甲側への曲げ伸ばしなど、いくつかの動きの合計で評価されます。測定の方法が正しいかどうかが、結果を左右します。手首の動きや痛みが残っているときは、症状固定の前に弁護士にご相談ください。
手首の骨折の後遺障害のご相談を受け付けています
測定の結果や画像を伺い、認定の見通しをご説明します。
TFCC損傷について
手首の小指側には、TFCC(三角線維軟骨複合体)という組織があります。骨折と一緒にこの組織が傷つくと、手首を小指側に曲げたり、ひねったりしたときに痛みが続くことがあります。MRIなどで損傷が確認できれば、痛みや可動域制限の後遺障害として評価される可能性があります。
慰謝料の目安(弁護士基準)
| 10級 | 550万円 |
|---|---|
| 12級 | 290万円 |
| 14級 | 110万円 |
このほかに、逸失利益(将来の収入の減少分)も請求できます。計算のしかたは「後遺障害の逸失利益とは」をご覧ください。
よくある質問
Q. 利き手ではない方の手首は?
利き手かどうかにかかわらず、認定の基準は同じです。ただ、仕事や生活への影響の大きさは、逸失利益などの判断で考慮されることがあります。
Q. プレートを抜く予定がある
プレートを抜く手術の前後で、症状が変わることもあります。症状固定の時期は、医師と相談して決めましょう。
まとめ
手首の骨折では、可動域制限、痛み、変形などによって、10級・12級・14級などが認められる可能性があります。
角度の測り方や画像の裏付けが大切です。申請の前に、弁護士にご相談ください。