どこでアスベストを吸ったかわからない、昔の職歴の資料がないとき

監修:弁護士 齊藤 翔平(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)

アスベストによる病気は、吸い込んでから数十年たってから発症することが多いため、どこでアスベストを吸ったのか、本人にもはっきりしないことがあります。昔の勤め先の資料が残っていないという方も少なくありません。

アスベストの補償を受けるには、「いつ、どこで、どんな仕事をしていたか」を示すことが大切です。とはいえ、何十年も前のことを、資料なしで正確に思い出すのは難しいものです。記録や関係者の記憶をたどりながら、少しずつ整理していきましょう。

こんな疑問はありませんか?

  • どこでアスベストを吸ったのか、思い当たらない
  • 昔の勤め先の資料が残っていない
  • 会社がもうなくなっている
  • 一人親方だったので、記録がない

この記事でわかること

  • 職歴を整理するときのポイント
  • 手がかりになる記録
  • 資料がそろわない場合の対応

職歴を時期ごとに書き出す

  • いつからいつまで、どの会社で働いていたか
  • どのような現場や作業場で、どんな作業をしていたか
  • アスベストを含む建材や製品を扱った記憶があるか
  • 一緒に働いていた同僚や親方の名前

建設、解体、配管、電気工事、断熱、造船、工場での製造など、アスベストに触れる可能性があった仕事は幅広くあります。

手がかりになる記録

  • 年金の加入記録(年金事務所で確認できます)
  • 雇用保険の加入記録
  • 給与明細や源泉徴収票
  • 建設業の組合や国民健康保険組合の加入記録
  • 当時の写真や手帳

POINT 年金の加入記録には、勤めていた会社の名前と期間が記録されています。職歴を確認する大きな手がかりになります。

職歴がはっきりしない方のご相談も受け付けています
わずかな記憶や記録からでも、一緒に確認していきます。

資料がそろわない場合

資料が十分にそろわなくても、あきらめる必要はありません。労災の申請では、労働基準監督署が聞き取りや調査を行い、仕事が原因かどうかを判断します。同僚の証言などで、当時の作業の内容を裏付けられることもあります。

弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼すれば、記録の取り寄せや、当時の状況を知る方への聞き取りなどを通じて、職歴を一緒に整理することができます。

職歴の整理に使える質問

  • どんな建物や現場で働いていたか(ビル、学校、工場、船など)
  • 解体や改修の作業をしたことがあるか
  • 粉じんが舞うような作業をしていたか
  • マスクをせずに作業していたことがあるか
  • 同じ現場で、吹付けや断熱の作業が行われていなかったか

弁護士との相談では、こうした質問に答えていただきながら、職歴を一緒に整理していきます。

よくある質問

Q. 会社が倒産していても、職歴を証明できますか?

年金の加入記録や、同僚の証言などで、職歴を示せることがあります。会社がなくても、あきらめる必要はありません。

Q. 同僚と連絡が取れません。

同僚の証言がなくても、ほかの資料で職歴を示せる場合があります。わかる範囲で整理しましょう。

Q. 職歴の整理だけの相談は?

できます。補償を受けられる可能性があるかどうかも含めて、ご相談ください。

まとめ

どこでアスベストを吸ったかわからなくても、年金の加入記録などから職歴をたどれる場合があります。

資料がそろわなくても、まずはご相談ください。

この記事の監修

弁護士 齊藤 翔平(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)

青山学院大学法学部卒業。
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