監修:弁護士 齊藤 翔平(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)
会社がアスベストの危険性を知りながら、十分な対策をしていなかった。そのせいで病気になったのなら、会社に責任を取ってほしい。そう考える方もいると思います。一定の場合には、会社に対して損害賠償を請求できる可能性があります。
労災の給付を受けられたとしても、それで受けた被害のすべてが償われるわけではありません。会社が安全対策を怠っていた場合には、労災とは別に、会社に責任を問うことができる場合があります。
こんな疑問はありませんか?
- 会社にも責任を取ってほしい
- 労災の給付を受けていても、会社に請求できる?
- 会社がもうない場合は?
- 何十年も前のことでも、請求できる?
この記事でわかること
- 会社に賠償を請求できる場合
- 労災の給付との関係
- 請求するときのポイント
会社に賠償を請求できる場合
会社には、従業員が安全に働けるよう配慮する義務(安全配慮義務)があります。会社が、アスベストの危険から従業員を守るための対策を十分に取っていなかった場合には、この義務に違反したとして、損害賠償を請求できる可能性があります。
POINT 会社への請求は、必ず認められるわけではありません。当時の作業の状況や、会社が取っていた対策などから判断されます。
労災の給付との関係
労災の給付は、治療費や収入の補償などが中心で、精神的な苦痛に対する慰謝料は含まれていません。会社への損害賠償では、労災ではまかなわれない慰謝料なども請求できる可能性があります。
会社への損害賠償のご相談を受け付けています
当時の職場の状況を伺い、請求できる見込みをご説明します。
請求するときのポイント
- 会社が今も存続しているか
- 当時の作業の内容や、マスクなどの対策の状況
- 同じ職場で病気になった方がいるか
- 労災の認定を受けているか
何十年も前の職場の状況を明らかにするには、資料や証言を丁寧に集める必要があります。
弁護士に依頼するメリット
会社への損害賠償は、交渉や裁判が必要になることが多い請求です。弁護士に依頼すれば、請求できる見込みの検討から、交渉や裁判まで任せることができます。
会社への請求のポイント
- 会社が、アスベストの危険性を知っていた、または知ることができたか
- マスクの支給や換気など、必要な対策を取っていたか
- 作業の内容や期間
- 病気とアスベストの関係
POINT 会社への請求は、交渉で解決することもありますが、裁判になることも少なくありません。見通しを確認してから進めましょう。
よくある質問
Q. 会社が倒産している場合は、請求できますか?
会社がすでに倒産・清算している場合は、会社に請求することは難しくなります。国の制度による補償などを検討します。
Q. 建材メーカーに請求することはできますか?
建設現場での被害については、アスベストを含む建材を作ったメーカーの責任が問題になることもあります。事案によって検討します。
Q. 会社への請求の弁護士費用は、どうなりますか?
会社への損害賠償請求の弁護士費用は、事案に応じて設定します。相談の際に見込みをご説明します。
まとめ
会社が安全への配慮を怠っていた場合には、アスベスト被害について損害賠償を請求できる可能性があります。
労災ではまかなわれない慰謝料なども含めて、まずはご相談ください。