監修:弁護士 齊藤 翔平(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)
家族が窃盗の疑いで逮捕されたと、警察から連絡があった。職場でお金がなくなり、自分が疑われている。窃盗は、身近に起こりうる犯罪の一つですが、どのような手続きで進み、どんな処分になるのか、わからず不安になる方も多いと思います。
窃盗は、万引きのような身近なものから、空き巣のような侵入盗まで、さまざまな形があります。どの場合でも、早い段階で被害者への謝罪と弁償に取り組むことが、その後の処分を大きく左右します。
この記事では、窃盗にあたる主なケースと刑罰、逮捕や前科を避けるためのポイント、示談の進め方を解説します。
こんな疑問はありませんか?
- 窃盗で警察から連絡があった
- 家族が窃盗で逮捕された
- 窃盗の刑罰は、どのくらい?
- 被害者と示談したい
- 前科をつけずに済む方法はある?
この記事でわかること
- 窃盗にあたる主なケース
- 窃盗罪の刑罰と、常習累犯窃盗
- 逮捕や前科を避けるためのポイント
- 被害者との示談の進め方
窃盗にあたる主なケース
| 万引き | お店の商品を、代金を払わずに持ち去る |
|---|---|
| 置き引き | 駅や店などに置かれた他人の荷物を持ち去る |
| 自転車やバイクの盗難 | 他人の自転車やバイクを、無断で持ち去る |
| 職場での窃盗 | 職場の同僚の財布や、会社の備品・商品などを盗む |
| 空き巣などの侵入盗 | 他人の家や事務所に入り込んで、金品を盗む |
| 車上荒らし・すり | 車の中の物や、他人が身につけている財布などを盗む |
万引きの場合の対応は、「万引き(窃盗)で捜査を受けている方へ」で詳しく解説しています。
窃盗罪の刑罰
窃盗罪の刑罰は、10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。実際に盗めなかった場合(未遂)も、処罰の対象になります。
POINT 過去10年の間に、窃盗などで6か月以上の刑を3回以上受けている方が、再び常習として窃盗をした場合は、「常習累犯窃盗」として、3年以上の拘禁刑というより重い刑罰が定められています。
他人の家に入り込んで盗んだ場合は、窃盗罪とは別に、住居侵入罪にも問われることがあります。
逮捕される場合とされない場合
- その場で取り押さえられた場合や、繰り返している場合などは、逮捕されることがある
- 被害額が少なく、身元がはっきりしている場合などは、逮捕されずに在宅で捜査が進むこともある
- 後日、防犯カメラの映像などから特定されて、逮捕されることもある
逮捕された後の流れは「逮捕されている場合の刑事事件の流れ」、逮捕されずに捜査を受ける場合は「在宅事件の場合の流れと対応」で解説しています。
窃盗事件のご相談を受け付けています
逮捕されている場合も、在宅で捜査を受けている場合も、早めにご相談ください。
前科を避けるためのポイント
- 被害者に謝罪し、盗んだ物の代金や損害を弁償する
- 被害者との示談を成立させる
- 反省の気持ちや、再び起こさないための取り組みを示す
- 取調べに誠実に対応する
初めての窃盗で、被害額が少なく、示談が成立している場合などは、不起訴になる可能性が高まります。
被害者との示談の進め方
示談は、被害者に謝罪して損害を弁償し、許してもらうための話し合いです。加害者本人が被害者に直接連絡を取ることは、かえってトラブルになったり、被害者が連絡先を教えてくれなかったりすることが多いため、弁護士を通じて進めるのが一般的です。
- 盗んだ物の代金や、壊した物の修理費などの弁償
- 迷惑をかけたことへのおわびの気持ち(示談金の上乗せ)
- 被害届の取り下げや、処罰を求めない旨の約束
示談金の金額は、被害の額や被害者の気持ちなどによって変わります。
繰り返してしまう場合
やめたいのに盗みを繰り返してしまう場合は、病気(クレプトマニア)が背景にあることもあります。専門の医療機関での治療や、家族の見守りの体制を整えることは、再発の防止につながるだけでなく、処分の判断でも考慮されることがあります。
よくある質問
Q. 家族のお金を盗んだ場合も、窃盗になりますか?
家族の間の窃盗は、配偶者や親子など一定の関係にある場合、刑が免除されるなどの特別な扱いがあります。ただし、関係や状況によって扱いが異なるため、ご相談ください。
Q. 盗んだ物を返せば、罪にならないのですか?
盗んだ物を返しても、窃盗罪が成立したことに変わりはありません。ただ、返したことや弁償したことは、処分の判断で考慮されます。
Q. 職場で窃盗を疑われていますが、身に覚えがありません。
身に覚えがない場合は、安易に認めず、事実を確認することが大切です。取調べへの対応も含めて、早めにご相談ください。
まとめ
窃盗は、万引きから侵入盗まで幅広く、10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められている犯罪です。
被害者への謝罪と弁償、示談の成立が、処分を大きく左右します。早めにご相談ください。