監修:弁護士 佐藤 都(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)
まだ痛みが残っているのに、後遺障害の認定結果は「非該当」だった。あるいは、等級は認められたものの、実際の症状に比べて低いと感じる。そんなときは、「異議申立て」をして、もう一度審査を求めることができます。
ただ、異議申立ては、ただ「納得できない」と伝えるだけでは、結果が変わる可能性は高くありません。なぜ認められなかったのかを分析し、足りなかった点を補う資料を出すことが大切です。
この記事では、異議申立ての流れと、結果を見直してもらうためのポイントを解説します。
こんな疑問はありませんか?
- 「非該当」と言われた。
もう何もできない? - 異議申立ては、何回でもできる?
- どうすれば、結果を見直してもらえる?
- 異議申立て以外の方法はある?
この記事でわかること
- 異議申立ての仕組み
- 異議申立ての流れ
- 結果を見直してもらうために大切なこと
- 異議申立て以外の方法
異議申立てとは
異議申立ては、自賠責保険の後遺障害の認定結果に納得できない場合に、もう一度審査を求める手続きです。非該当とされた場合だけでなく、認定された等級が低いと考える場合にも申し立てることができます。
異議申立てに回数の制限はありません。ただ、前回と同じ資料のまま申し立てても、結果が変わる可能性は高くありません。
異議申立ての流れ
- 認定結果の通知を読み、認められなかった理由を確認する
- 理由を踏まえて、症状を裏付けるために必要な資料を検討する
- 医師に意見書を依頼するなど、資料を集める
- 異議申立書を作成し、資料とあわせて提出する
- 再度の審査を経て、結果が通知される
異議申立てのご相談を受け付けています
認定結果の通知をお持ちいただければ、見直しの見込みと、必要な資料をご説明します。
大切なのは「なぜ認められなかったか」の分析
認定結果の通知には、等級が認められなかった理由が書かれています。たとえば、「画像上、明らかな異常が認められない」「症状の一貫性が認められない」「通院の状況から、症状が継続していたとは捉えられない」といった理由です。
その理由に対して、次のような資料で、足りなかった点を補っていきます。
- 医師の意見書(症状の原因や、今後も症状が続く見込みについて)
- 追加の検査の結果や、画像(MRIなど)
- 通院の経過がわかるカルテ
- 日常生活や仕事への影響をまとめた資料
POINT 異議申立ての結果を左右するのは、前回の申請で足りなかった点を補う、新しい資料を出せるかどうかです。
異議申立て以外の方法
- 自賠責保険・共済紛争処理機構に、紛争処理を申請する
- 裁判で、後遺障害の有無や等級を争う
紛争処理機構では、専門家によって認定が妥当かどうかが審査されます。裁判では、裁判所が、自賠責保険の認定にしばられずに、後遺障害の有無や程度を判断します。どの方法が適しているかは、事案によって異なります。
なお、紛争処理機構への申請は、同じ事故について1回しかできません。どの段階で使うかを、よく検討してから申請しましょう。
よくある質問
Q. 異議申立てをすると、結果が悪くなることはありますか?
異議申立てによって、すでに認定された等級より低い等級に変わることは多くありませんが、可能性がまったくないとはいえません。手続きには時間もかかるため、見込みを確認してから進めましょう。
Q. 異議申立ての結果が出るまで、どのくらいかかりますか?
事案によって異なりますが、数か月程度かかることが多くあります。
Q. 自分で異議申立てをすることもできますか?
できます。ただ、認定の理由を分析し、それに合った資料を用意するには専門的な判断が必要になります。結果を見直してもらうためにも、弁護士に依頼することをおすすめします。
まとめ
後遺障害の認定結果に納得できないときは、異議申立てで、もう一度審査を求めることができます。
結果を見直してもらうには、認められなかった理由を分析し、それを補う資料を出すことが大切です。異議申立ては、弁護士に依頼して進めることをおすすめします。認定結果の通知を持って、一度ご相談ください。