身に覚えがないのに捜査されているとき

監修:弁護士 齊藤 翔平(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)

やっていないのに、警察から疑いをかけられている。「やっていない」と言っても、信じてもらえないのではないか。身に覚えのない疑いで捜査を受けるのは、大きな不安と恐怖を伴います。だからこそ、最初の対応がとても大切です。

こんな疑問はありませんか?

  • やっていないのに、警察に疑われている
  • 取調べで、何を話せばいい?
  • 「認めれば早く終わる」と言われた
  • 無実を証明する証拠を、どう集めればいい?

この記事でわかること

  • 身に覚えがないときの取調べへの対応
  • 供述調書に署名する前の注意点
  • 無実を示すために早めにしておきたいこと

まずは、すぐに弁護士に相談を

身に覚えのない疑いをかけられたら、取調べを受ける前に、すぐに弁護士に相談してください。最初の取調べでの受け答えや、供述調書への署名が、その後の手続きに大きく影響するからです。逮捕されている場合も、弁護士はすぐに接見に向かうことができます。

POINT 一人で取調べに臨む前に、まず弁護士に相談することが、無実を守るための第一歩です。

取調べでは、事実と違うことを認めない

やっていないことは、はっきりと否定しましょう。長時間の取調べの中で、「認めれば早く帰れる」と考えて、事実と違うことを話してしまうのは避けなければなりません。話したくないことは、話さなくてもかまいません(黙秘権)。

  • 事実と違うことは、どんなに強く言われても認めない
  • 記憶があいまいなことは、「覚えていない」と正直に伝える
  • 取調べの内容を、終わった後にメモに残しておく
  • 不当な取調べを受けたと感じたら、弁護士に伝える

供述調書には署名しない

取調べの内容は供述調書にまとめられ、署名すると、裁判で証拠として使われることがあります。身に覚えのない疑いをかけられているときは、供述調書には署名をしないことが大切です。

  • 供述調書への署名は義務ではなく、拒むことができる
  • 署名を求められても、その場で署名せず、まず弁護士に相談する
  • 一度署名した調書の内容を、後から覆すのは難しい

POINT 供述調書には、安易にサインをしないでください。署名を求められたら、必ず弁護士に相談してください。

無実を示すために早めにしておきたいこと

  • その日時に、どこで何をしていたかを記録する
  • 防犯カメラの映像や、交通系ICカードの履歴など、行動を裏付ける記録を確保する(防犯カメラの映像は短期間で消えることがある)
  • 一緒にいた人の連絡先を確認する

弁護士ができること

弁護士は、取調べへの対応をアドバイスするほか、無実を裏付ける証拠を集め、検察官に不起訴を求める意見書を出すことができます。逮捕されている場合は、すぐに接見に向かい、本人を支えます。

よくある質問

Q. 署名を断ると不利になる?

署名を断ることは、法律で認められた権利です。断ったことだけで、不利に扱われるわけではありません。どう対応するか迷ったら、すぐに弁護士に相談しましょう。

Q. 否認していると、逮捕されやすくなりますか?

否認していることだけを理由に、逮捕されるわけではありません。ただ、事件の内容によっては、証拠を隠すおそれがあるとして逮捕されることもあります。

Q. ポリグラフ(うそ発見器)の検査を求められました。

検査に応じるかどうかは、任意です。応じるかどうか迷ったら、弁護士に相談しましょう。

Q. 取調べを録音してもらうことはできますか?

一部の事件では、取調べの録音・録画が義務づけられています。それ以外の事件でも、録音・録画を求めることは検討できます。

まとめ

身に覚えがない場合は、事実と違うことを認めず、供述調書には署名をしないことが大切です。

証拠が消える前に、すぐに弁護士にご相談ください。