監修:弁護士 佐藤 都(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)
バイクの事故で膝を強く打ち、靭帯を損傷した。治療を続けても、階段を下りるときに膝がガクッとする。膝の靭帯損傷は、骨折のようにレントゲンで写らないため、見落とされたり、軽く見られたりしやすいけがです。
膝の靭帯損傷の後には、膝のぐらつき(動揺関節)や、動く範囲の制限、痛みが残ることがあり、後遺障害として認められる可能性があります。この記事では、認定される可能性がある等級と、認定のポイントを解説します。
こんな疑問はありませんか?
- 膝がぐらぐらする感じが残っている
- 靭帯の損傷は、レントゲンでわかる?
- 何級が認められる可能性がある?
- 装具(サポーター)が手放せない
この記事でわかること
- 問題になる後遺障害
- ぐらつき(動揺関節)の等級の基準
- ぐらつきを証明する検査
- 認定のポイント
問題になる後遺障害
| 動揺関節(8級相当・10級相当・12級相当) | 膝がぐらつき、装具が必要な程度などによって等級が変わる |
|---|---|
| 可動域制限(10級11号・12級7号) | 膝の動く範囲が、けがをしていない側と比べて2分の1以下(10級)、4分の3以下(12級) |
| 痛み(12級13号・14級9号) | 膝の痛みが残っている |
ぐらつき(動揺関節)の等級
| 8級相当 | 常に硬い装具(硬性補装具)が必要な程度のぐらつき |
|---|---|
| 10級相当 | ときどき硬い装具が必要な程度のぐらつき |
| 12級相当 | 激しい運動などのときにだけ、硬い装具が必要な程度のぐらつき |
膝の後遺障害のご相談を受け付けています
検査の結果や症状を伺い、認定の見通しをご説明します。
ぐらつきを証明する検査
- MRI:靭帯の損傷の有無を確認する
- ストレスレントゲン:膝に力を加えた状態でレントゲンを撮り、ぐらつきの程度を数値で示す
- 徒手検査:医師が膝を動かして、ぐらつきを確認する
POINT 膝のぐらつきは、普通のレントゲンには写りません。ストレスレントゲンで、けがをしていない側と比べてどのくらいずれるかを示すことが、認定の大切な裏付けになります。膝のぐらつきや痛みが残っているときは、症状固定の前に弁護士にご相談ください。
認定のポイント
- 事故の直後から、膝の痛みや不安定さを医師に伝える
- 早めにMRIを撮影し、靭帯の損傷を確認する
- 装具の使用状況や、日常生活で困っていることを記録してもらう
- 靭帯の再建手術を受けた場合は、手術後の経過も記録に残す
→ 動く範囲の制限は「関節が動かしにくくなった(可動域制限)の後遺障害」
慰謝料の目安
| 8級 | 後遺障害慰謝料(弁護士基準):830万円 |
|---|---|
| 10級 | 後遺障害慰謝料(弁護士基準):550万円 |
| 12級 | 後遺障害慰謝料(弁護士基準):290万円 |
| 14級 | 後遺障害慰謝料(弁護士基準):110万円 |
このほかに、逸失利益(将来の収入の減少分)も請求できます。計算のしかたは「後遺障害の逸失利益とは」をご覧ください。
よくある質問
Q. 半月板の損傷もある
半月板の損傷も、痛みや可動域制限の原因として評価されることがあります。靭帯の損傷とあわせて、画像で確認しておきましょう。
Q. 後から損傷が見つかった
事故との関係が争われることがあります。事故の状況や、受診の経過を整理しておきましょう。
まとめ
膝の靭帯損傷では、ぐらつき(動揺関節)、可動域制限、痛みによって、8級から14級までの等級が問題になります。
ぐらつきは、ストレスレントゲンなどで証明することが大切です。申請の前に、弁護士にご相談ください。