監修:弁護士 齊藤 翔平(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)
別れた相手のことが忘れられず、何度も連絡してしまった。相手の家の近くに行ってしまい、警察から警告を受けた。ストーカーの問題は、「自分ではそんなつもりはなかった」という方も少なくありません。だからこそ、早い段階で行動を改めることが大切です。
この記事では、ストーカー規制法で規制される行為の種類、警告と禁止命令、刑罰、警告を受けたときにやるべきこと、処分を軽くするためにできることを解説します。
こんな疑問はありませんか?
- 警察から、ストーカーの警告を受けた
- どんな行為がストーカーにあたる?
- 元交際相手に、連絡してはいけない?
- 禁止命令に違反するとどうなる?
- 相手に謝りたい
この記事でわかること
- ストーカー規制法で規制される行為の種類
- 警告と禁止命令の違い
- ストーカー行為の刑罰
- 警告を受けたときにやるべきこと
ストーカー規制法とは
ストーカー規制法は、恋愛感情などの好意の感情や、それが満たされなかったことへの恨みの気持ちから、特定の相手やその家族などに対して「つきまとい等」を行うことを規制する法律です。元交際相手や元配偶者だけでなく、片思いの相手や、職場の同僚などに対する行為も対象になります。
規制される「つきまとい等」
ストーカー規制法では、次のような行為が「つきまとい等」として規制されています。
| つきまとい・待ち伏せ・押しかけなど | 相手の後をつける、待ち伏せする、自宅や職場に押しかける、自宅などの近くを見張ったり、うろついたりする |
|---|---|
| 監視していると告げる | 「今日は〇〇にいたね」などと、行動を見張っていると思わせることを伝える |
| 面会や交際の要求 | 会うことや交際、復縁など、相手に義務のないことを求める |
| 乱暴な言動 | 大声でどなる、乱暴な言葉を浴びせるなど |
| 無言電話・連続した連絡 | 無言電話をかける、断られたのに電話やメール、SNSのメッセージ、手紙などを続けて送る |
| 不快な物の送付 | 汚物や動物の死体など、強い不快感を与える物を送る |
| 名誉を傷つけること | 相手の名誉を傷つけることを伝えたり、送ったりする |
| 性的な嫌がらせ | 性的に恥ずかしい思いをさせることを伝える、性的な画像などを送る |
また、相手の承諾なく、GPS機器などを使って位置情報を取得したり、相手の車や持ち物にGPS機器を取り付けたりする行為も、規制の対象になっています。
処罰される場合
同じ相手に対して、つきまとい等を繰り返すと、「ストーカー行為」として処罰の対象になります。
POINT ストーカー行為の罪は、被害者の告訴がなくても起訴されることがある犯罪です。被害者との示談が成立しても、それだけで手続きが終わるとは限りません。
警告と禁止命令
| 警告 | 警察署長などが、つきまとい等をやめるよう警告するもの。警告そのものに罰則はない |
|---|---|
| 禁止命令 | 都道府県の公安委員会が、つきまとい等をしてはならないと命じるもの。警告を経ずに出されることもあり、違反すると処罰の対象になる |
禁止命令の効力は1年間で、必要があれば延長されることもあります。
ストーカー事件のご相談を受け付けています
警告や禁止命令を受けた場合、警察から呼び出しを受けた場合は、早めにご相談ください。
警告や禁止命令を受けたときにやるべきこと
- 相手への連絡を、すべてやめる(SNSや、共通の知人を通じた連絡も含む)
- 相手の自宅や職場の近くに行かない
- SNSで相手を検索したり、投稿を見たりしない
- カウンセリングなど、気持ちを整理するための支援を利用する
POINT 「謝りたい」「誤解を解きたい」という気持ちからの連絡も、つきまとい等にあたることがあります。相手への謝罪は、弁護士を通じて行いましょう。
ストーカー行為の刑罰
| ストーカー行為 | 1年以下の拘禁刑、または100万円以下の罰金 |
|---|---|
| 禁止命令に違反したストーカー行為 | 2年以下の拘禁刑、または200万円以下の罰金 |
| そのほかの禁止命令への違反 | 6か月以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金 |
処分を軽くするために
- 相手への連絡や接近をやめ、関係を断つ
- 相手に謝罪し、示談を目指す(弁護士を通じて行う)
- カウンセリングなどで、再発を防ぐ取り組みをする
- 必要に応じて、引っ越しなどで相手との距離を保つ
相手と直接連絡を取ることは、かえって事態を悪化させます。弁護士が間に入ることで、相手に安心してもらいながら、示談などの話し合いを進めることができます。
よくある質問
Q. 相手から連絡が来た場合は、返事をしてもいいですか?
警告や禁止命令を受けている場合は、相手から連絡が来ても、返事をしないほうが安全です。対応に迷ったら、弁護士に相談しましょう。
Q. 1回連絡しただけでも、ストーカーになりますか?
1回の連絡だけで、すぐにストーカー行為として処罰されるわけではありません。ただ、断られた後も連絡を続けるなど、繰り返すとストーカー行為にあたることがあります。
Q. 禁止命令に納得できません。
禁止命令には、不服を申し立てる手続きがあります。ただし、手続き中も命令には従う必要があります。早めにご相談ください。
まとめ
ストーカー規制法では、つきまといや待ち伏せ、連続した連絡、GPS機器を使った位置情報の取得など、さまざまな行為が規制されています。
警告や禁止命令を受けたら、まず相手への連絡や接近をすべてやめることが大切です。謝罪や示談は、弁護士を通じて進めましょう。