特別遺族給付金とは|労災の請求期限が過ぎてしまったご遺族の方へ

監修:弁護士 和田 慈朗(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)

父が中皮腫で亡くなってから、もう10年以上たつ。当時は、アスベストが原因だとも、労災を申請できることも知らなかった。今からでは、もう何も請求できないのだろうか。そう考えているご遺族の方もいると思います。

労災の遺族補償の給付は、原則として、亡くなった日の翌日から5年が過ぎると請求できなくなります。しかし、アスベストが原因で亡くなった方のご遺族には、この期限が過ぎてしまった場合でも、「特別遺族給付金」を受け取れる制度があります。

この記事では、特別遺族給付金の対象になる方と、請求の期限、申請の流れを解説します。

こんな疑問はありませんか?

  • 家族が亡くなってから何年もたっている。
    今からでも請求できる?
  • 労災の請求期限が過ぎてしまった
  • 特別遺族給付金は、いつまでに請求すればいい?
  • どんな書類が必要?

この記事でわかること

  • 特別遺族給付金とは何か
  • 対象になる方
  • 請求の期限
  • 必要な書類と申請の流れ

特別遺族給付金とは

特別遺族給付金は、仕事でアスベストを吸い込んだことが原因で亡くなった労働者などのご遺族のうち、労災の遺族補償の給付を受ける権利が、時間の経過によって消えてしまった方に支給される給付金です。石綿健康被害救済法という法律にもとづく制度です。

給付には、年金の形で受け取る「特別遺族年金」と、一時金の形で受け取る「特別遺族一時金」があり、ご遺族の状況によって、どちらになるかが決まります。

特別遺族給付金の金額

特別遺族年金(ご遺族1人)毎年240万円
特別遺族年金(ご遺族2人)毎年270万円
特別遺族年金(ご遺族3人)毎年300万円
特別遺族年金(ご遺族4人以上)毎年330万円
特別遺族一時金1,200万円
特別遺族年金を受け取れるご遺族がいない場合

ご遺族の人数は、年金を受け取る方と、その方と生計を同じくしているご遺族(年金を受け取る資格のある方)の数です。金額は、厚生労働省が公表している額です(2026年時点)。

対象になる方

  • 亡くなった方が、仕事でアスベストを吸い込んだことが原因の病気(中皮腫、肺がんなど)で亡くなったこと
  • 2026年(令和8年)3月26日までに亡くなった方であること
  • 労災の遺族補償の給付を受ける権利が、時効によって消えていること
  • 請求する方が、法律で決められた範囲のご遺族であること

POINT 亡くなってから5年以内であれば、特別遺族給付金ではなく、通常の労災の遺族補償の給付を請求できる場合があります。どちらの制度を使うかも含めて、確認が必要です。

特別遺族給付金のご相談を受け付けています
亡くなった方の職歴や病名を伺い、対象になるかを一緒に確認します。

請求の期限

特別遺族給付金の請求期限は、2032年(令和14年)3月27日までとされています(2026年10月時点の制度)。期限を過ぎると請求できなくなるため、心当たりがある場合は、早めに準備を始めましょう。

制度の内容は、法律の改正によって変わることがあります。最新の情報は、厚生労働省や労働基準監督署で確認しましょう。

必要な書類と申請の流れ

  1. 亡くなった方の病名と、死亡の時期を確認する(死亡診断書など)
  2. 亡くなった方の職歴を調べる(年金の加入記録など)
  3. 病院に残っている医療記録(カルテ、画像など)を確認する
  4. ご遺族であることがわかる戸籍などを集める
  5. 労働基準監督署に請求書を提出する

何年も前の医療記録や職歴を集めるのは、ご遺族にとって大きな負担です。病院の記録は保存期間が過ぎると処分されることもあるため、早めに確認しましょう。

よくある質問

Q. 亡くなった方の職歴が、まったくわかりません。

年金事務所で、亡くなった方の年金の加入記録を確認できることがあります。勤めていた会社と期間がわかれば、手がかりになります。

Q. カルテが残っていない

カルテがなくても、ほかの資料(死亡診断書、検査の記録、同僚の証言など)から、病気とアスベストの関係を示せる場合があります。

Q. 特別遺族給付金の請求も、弁護士に頼めますか?

資料の収集から、請求書の作成・提出まで、お手伝いできます。アスベスト被害のご依頼は、着手金0円の後払いの形です。

まとめ

労災の遺族補償の請求期限が過ぎてしまっても、アスベストが原因で亡くなった方のご遺族は、特別遺族給付金を受け取れる場合があります。

請求には期限があります。心当たりがあれば、できるだけ早くご相談ください。

この記事の監修

弁護士 和田 慈朗(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)

社会保険労務士試験合格。官公庁での勤務を経て弁護士に。
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