亡くなった家族がアスベストを吸っていたかもしれない|ご遺族への補償

監修:弁護士 和田 慈朗(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)

亡くなった父が、昔、建設現場や工場で働いていた。死因は肺がんや中皮腫だったけれど、アスベストが原因だとは考えたこともなかった。ご遺族が後になってアスベストとの関係に気づき、補償を受けられる場合があります。

「父は昔、工場で働いていた」「祖父は大工だった」。そんな話を聞いて、亡くなった家族の病気とアスベストの関係に、後から気づくご遺族も少なくありません。ご遺族が請求できる補償は、思っている以上に幅広くあります。

こんな疑問はありませんか?

  • 亡くなった父が、昔アスベストを扱っていたかもしれない
  • ご遺族は、どんな補償を受けられる?
  • 亡くなってから何年もたっている
  • 職歴の資料が何も残っていない
  • 誰が請求すればいい?

この記事でわかること

  • ご遺族が受けられる補償
  • 亡くなってから時間がたっている場合
  • 準備しておきたい資料

ご遺族が受けられる補償

  • 労災保険の遺族(補償)給付(年金または一時金)と葬祭料
  • 建設アスベスト給付金(ご遺族による請求)
  • 国との裁判による賠償金(石綿工場や、工場の中で石綿を扱う作業をしていた場合)
  • 石綿健康被害救済制度による、ご遺族への給付

どの制度の対象になるかは、亡くなった方の職歴や、亡くなった原因となった病気によって異なります。

亡くなってから時間がたっている場合

亡くなってから何年もたっていても、補償を受けられる可能性があります。労災の給付を受ける権利が時間の経過で消えてしまった場合でも、ご遺族に別の給付金が支払われる制度もあります。

POINT 制度ごとに、請求できる期限や条件が異なります。気づいた時点で、できるだけ早くご相談ください。

ご遺族からのご相談を受け付けています
亡くなってから時間がたっている場合も、まずはお話をお聞かせください。

準備しておきたい資料

  • 死亡診断書や、亡くなる前のカルテ・検査の記録
  • 亡くなった方の職歴がわかる資料(年金の加入記録など)
  • ご遺族であることがわかる戸籍

POINT 病院のカルテは、保存期間が過ぎると処分されてしまうことがあります。まずは、通っていた病院にカルテが残っているかを確認しましょう。

弁護士に依頼するメリット

ご遺族が、亡くなった方の職歴や医療記録を一から調べるのは大変な作業です。弁護士に依頼すれば、資料の収集から申請まで任せることができます。ご遺族が複数いる場合の請求のしかたも、あわせてご案内します。

ご遺族が請求するときの流れ

  1. 亡くなった方の病名と、医療記録が残っているかを確認する
  2. 亡くなった方の職歴を、年金の加入記録などから調べる
  3. あてはまる制度(労災、給付金、救済制度など)を確認する
  4. 必要な書類をそろえて、申請する

ご遺族の中で、誰が請求するかも、制度によって決まっています。相続人全員で話し合う必要がある場合もあります。

よくある質問

Q. 亡くなった方の職歴を、家族は何も知りません。

年金事務所で、亡くなった方の年金の加入記録を確認できることがあります。勤めていた会社と期間がわかれば、手がかりになります。

Q. 亡くなってから10年以上たっていますが、請求できますか?

制度によって期限が異なり、時間がたっていても請求できる場合があります。まずは状況をお聞かせください。

Q. 相続人が何人もいますが、どうすればいいですか?

請求できる人や、受け取った補償の分け方は、制度によって異なります。ご家族の状況を伺って、整理をお手伝いします。

まとめ

亡くなったご家族がアスベストを吸っていた可能性がある場合、ご遺族が補償を受けられることがあります。

時間がたっていても、あきらめずにご相談ください。

この記事の監修

弁護士 和田 慈朗(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)

社会保険労務士試験合格。官公庁での勤務を経て弁護士に。
弁護士紹介を見る →