既婚者だと知らずに交際していた|貞操権侵害で慰謝料を請求できる?

監修:弁護士 佐藤 都(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)

「独身だ」と言われて交際していたのに、後から相手が結婚していたことがわかった。結婚を前提にした交際だと思っていたのに、だまされていた。このように、うそをつかれて性的な関係を持った場合は、「貞操権侵害」として、相手に慰謝料を請求できることがあります。この記事では、貞操権侵害で慰謝料を請求できるケースと、請求の進め方、気をつけたい点を解説します。

こんな疑問はありませんか?

  • 既婚者だと知らずに交際していた
  • 結婚すると言われていたのに、うそだった
  • 慰謝料はいくらくらい?
  • 相手の配偶者から、慰謝料を請求されない?

この記事でわかること

  • 貞操権侵害とは
  • 慰謝料を請求できるケース
  • 慰謝料の目安と請求の進め方
  • 相手の配偶者から請求されたら

貞操権侵害とは

貞操権とは、誰と性的な関係を持つかを、自分の意思で決める権利のことです。「独身だ」「結婚するつもりだ」などとうそをついて性的な関係を持った場合は、相手の決める自由をゆがめたものとして、不法行為にあたることがあります。

慰謝料を請求できるケース

次のような場合は、貞操権侵害として慰謝料を請求できる可能性があります。

  • 既婚者なのに「独身だ」とうそをついて交際していた
  • 「いずれ結婚する」と言って関係を続けたが、初めから結婚するつもりがなかった
  • マッチングアプリなどで、独身と偉って知り合った

うその内容や、交際の経緯によって、請求が認められるかどうかが判断されます。あなたの側が、相手が結婚していることに気づける状況だったかどうかも、判断の事情になります。

POINT うそをつかれていたとわかったら、相手とのやりとりを消さずに、早めに弁護士にご相談ください。

慰謝料の目安

貞操権侵害の慰謝料は、数十万円から200万円程度になることが多くあります。次のような事情があると、金額が高くなることがあります。

  • 交際の期間が長い
  • 結婚を強く信じさせるような言動があった
  • 妊娠や、中絶をした

貞操権侵害のご相談をお受けしています
ご家族や職場に知られずに解決したいというご希望にも配慮して進めます。お気軽にご相談ください。

請求の進め方

  1. 相手と話し合い、慰謝料の支払いを求める
  2. 応じない場合は、内容証明郵便などで正式に請求する
  3. それでも支払わない場合は、裁判で請求する

残しておきたい証拠

  • 「独身だ」「結婚しよう」などのやりとりがわかるLINEやメール
  • マッチングアプリのプロフィール(「独身」の表示など)
  • 交際の期間や、会っていた頻度がわかる記録

相手の配偶者から請求されたら

相手が既婚者だった場合、相手の配偶者から、不倫の慰謝料を請求されることがあります。ただし、相手が既婚者だと知らず、知らなかったことに落ち度もなかった場合は、慰謝料を支払う責任はありません。「独身だと言われていた」ことを示す証拠は、この場面でも大切になります。

よくある質問

Q. 別れた後でも請求できる?

請求できます。ただし、慰謝料の請求には時効があるため、うそを知ってから時間がたつ前にご相談ください。

Q. 家族や職場に知られたくない

弁護士が代理人としてやりとりをすることで、周りに知られにくい形で進められることがあります。

Q. 妊娠している

慰謝料の請求とあわせて、認知や養育費の問題も整理する必要があります。「父親がわかっているのに認知してくれない」もご覧ください。

まとめ

既婚者だということや、結婚するつもりがないことを隠して性的な関係を持った場合は、貞操権侵害として慰謝料を請求できることがあります。うそをつかれていたことを示す証拠が大切です。

だまされていたとわかったら、早めに弁護士にご相談ください。

この記事の監修

弁護士 佐藤 都(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)

上智大学法学部、北海道大学法科大学院卒業。
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