監修:弁護士 佐藤 都(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)
事故に遭った車を修理して、見た目はきれいに直った。でも、いずれ売るときには「修復歴あり」として、価値が下がってしまう。この価値の下がった分を「評価損(格落ち損)」といい、相手方に請求できる場合があります。
ただ、保険会社は評価損の支払いに簡単には応じないことが多く、請求するには、車の状態や損傷の内容を具体的に示す必要があります。
この記事では、評価損とは何か、どんな場合に認められやすいのか、請求に必要な資料と交渉のポイントを解説します。
こんな疑問はありませんか?
- 評価損(格落ち損)って、何?
- 保険会社に「評価損は払えない」と言われた
- どんな車なら、評価損が認められやすい?
- 評価損はいくらくらいになる?
- 請求するには、何を用意すればいい?
この記事でわかること
- 評価損(格落ち損)とは何か
- 認められやすいケース
- 評価損の金額の考え方
- 請求に必要な資料と交渉のポイント
評価損(格落ち損)とは
評価損とは、事故で車が壊れたことによって、修理をしても車の価値が下がってしまった分の損害です。修理で元どおりになったものの、事故歴(修復歴)があることで、売るときの価格が下がってしまう場合が、その代表です。
とくに、車の骨格にあたる部分(フレームなど)を修理すると、中古車として売るときに「修復歴あり」とされ、価格が大きく下がることがあります。
認められやすいケース
裁判例では、車の年式、走行距離、車種、損傷の場所や程度などを考慮して、評価損が認められるかどうかが判断されています。一般に、次のような場合は認められやすい傾向があります。
- 初度登録から間もない、新しい車
- 走行距離が短い車
- 外国車や国産の高級車など、中古車市場で人気が高い車
- 車の骨格(フレームなど)にまで損傷が及んでいる
POINT 年式が古く走行距離も長い車や、バンパーの交換だけで済んだような軽い損傷の場合は、評価損が認められにくくなります。
評価損のご相談も受け付けています
お車の年式や損傷の内容を伺い、請求できる可能性をご説明します。弁護士費用特約もご利用いただけます。
評価損の金額の考え方
評価損が認められる場合、その金額は、修理費の一定の割合として算定されることが多く、裁判例では、修理費の1〜3割程度とされることが多くあります。どの程度の割合になるかは、車の年式や車種、損傷の程度などによって、事案ごとに判断されます。
請求に必要な資料
- 修理の見積書や明細書(どの部分を、どのように修理したか)
- 損傷した部分の写真
- 車検証(初度登録の年月、車種、型式の確認)
- 購入したときの価格がわかる資料
交渉のポイント
評価損は、保険会社が「修理で直っているので損害はない」として、支払いを拒むことが多い損害です。そのため、交渉だけでは認められず、裁判で判断を求めることになるケースもあります。
弁護士に依頼すれば、裁判例をもとに、評価損が認められるべき理由を具体的に主張して交渉できます。弁護士費用特約があれば、費用の負担を気にせずに進められることがあります。
よくある質問
Q. 売った後でも請求できる?
修理をせずに売った場合は、修理費の相当額や、事故によって下がった売却価格などをもとに、損害を考えることになります。状況によって考え方が異なるため、ご相談ください。
Q. リース車でも請求できる?
リース車の場合、車の所有者はリース会社であることが多く、誰が評価損を請求できるかが問題になります。リース契約の内容を確認する必要があります。
Q. 保険会社に「評価損は払えない」と言われたら、あきらめるしかないですか?
あきらめる必要はありません。車の年式や損傷の内容によっては、裁判例をもとに評価損が認められるべき理由を示して、交渉することができます。交渉でまとまらない場合は、裁判で判断を求める方法もあります。
まとめ
評価損は、車の年式や車種、損傷の程度によって認められる可能性がある損害です。新しい車や人気の高い車、骨格にまで損傷が及んだ場合は、認められやすい傾向があります。
保険会社に支払いを断られた場合でも、あきらめる前に、修理の資料を持って一度ご相談ください。