監修:弁護士 佐藤 都(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)
子どもが4人いる。算定表は子ども3人までしか載っていないので、養育費がいくらになるのかわからない。あるいは、離婚で兄弟が分かれて、上の子は自分が、下の子は相手が育てている。こうした算定表にない家族構成では、算定表のもとになっている計算式を使って、個別に計算します。この記事では、算定表に載っていない場合の計算の考え方を、場面ごとに解説します。
こんな疑問はありませんか?
- 子どもが4人以上のとき、養育費はどう計算する?
- 子どもを相手と分けて育てている場合は?
- 相手が前の結婚の子どもも育てている場合は?
- 自分で計算できる?
この記事でわかること
- 算定表の仕組み(計算式があること)
- 子どもが4人以上の場合の考え方
- 双方が子どもを育てている場合の考え方
- 相手が別の子どもを扶養している場合
算定表には計算式がある
家庭裁判所の養育費の算定表は、「標準算定方式」という計算式にもとづいて作られています。双方の収入から、税金や職業費などを引いた「基礎収入」を出し、子どもの生活費の割合(生活費指数)を使って、子どもに必要な生活費を計算し、それを双方の基礎収入の割合で分ける、という仕組みです。
算定表は、この計算式を、子ども3人・15歳未満と15歳以上の区分で表にしたものです。算定表にない家族構成でも、この計算式を使えば計算できます。
子どもが4人以上の場合
子どもが4人以上の場合は、計算式に4人分の生活費指数を当てはめて計算します。子どもの人数が増えるほど養育費の総額は増えますが、義務者の収入には限りがあるため、1人あたりの金額は少なくなります。
目安として、子ども3人の算定表の金額より少し高い程度になることが多く、人数に比例して増えるわけではありません。
算定表に当てはまらない養育費のご相談をお受けしています
ご家族の状況を伺い、計算式を使って養育費の目安を計算してお伝えします。
双方が子どもを育てている場合
離婚で兄弟が分かれ、双方が子どもを育てている場合は、それぞれの子どもについて、相手に対する養育費を計算し、差し引きして、収入の多い側が少ない側に差額を払う形になります。
例えば、夫が長男を、妻が長女を育てていて、夫の収入が多い場合、夫が妻に長女の養育費を払い、妻が夫に長男の養育費を払う計算をして、その差額を夫が妻に払います。
POINT 算定表にない家族構成の計算は、計算式の理解が必要で、計算方法によって金額が変わることがあります。調停で相手と金額が食い違うときは、計算の根拠を示せることが大切です。
相手が別の子どもを扶養している場合
義務者が、前の結婚の子どもや、再婚相手との子どもも扶養している場合は、その子どもの生活費も計算に入れて、義務者の収入を扶養するすべての子どもで分ける形で計算します。
そのほか算定表で対応しにくい場合
- 子どもが成人している(大学生など)
- 相手の収入が算定表の上限を超えている
- 私立学校の学費や医療費など、特別の費用がある
- 住宅ローンや住居費の調整が必要
いずれも、算定表の金額をもとに、事情に応じた調整をして決めます。
よくある質問
Q. インターネットの計算サイトで出した金額は使える?
目安にはなりますが、基礎収入の計算や特別の事情の反映は、サイトによって違いがあります。調停で主張するときは、根拠を示せる計算が必要です。
Q. 子どもが4人いて、収入が少ない
義務者の収入が少ない場合、1人あたりの養育費は少額になります。公的な支援制度も含めて、生活設計をご相談ください。
Q. 双方が子どもを育てていて、収入も同じくらい
差額がほとんどなくなり、お互いに養育費を払わない形で合意することもあります。
まとめ
算定表に載っていない家族構成(子どもが4人以上、双方が子どもを育てている、相手が別の子どもを扶養している)でも、算定表のもとになっている計算式を使って、個別に養育費を計算できます。人数が増えても1人あたりの額は比例して増えず、双方が育てている場合は差額を払う形になります。
ご家族の状況に合わせた計算をお伝えします。お気軽にご相談ください。