監修:弁護士 齊藤 翔平(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)
貸したお金を返してもらおうと、強い言葉で迫ってしまった。相手の弱みを持ち出して、お金を払わせてしまった。相手を脅して怖がらせ、お金や物を出させると、恐喝罪に問われることがあります。
恐喝罪は罰金の定めがない重い犯罪で、本当に貸したお金の返済を求める場合でも、脅し方によっては恐喝になります。この記事では、恐喝罪にあたる行為と刑罰、恐喝になりやすいケース、示談と処分の見通しを解説します。
こんな疑問はありませんか?
- お金を請求したら、「恐喝された」と言われた
- 貸したお金を返してもらおうとしただけ
- 恐喝罪の刑罰は、どのくらい?
- 受け取ったお金は、返さないといけない?
- 相手と示談したい
この記事でわかること
- 恐喝罪にあたる行為と刑罰
- 恐喝になりやすいケース
- 正当な請求と恐喝の境目
- 示談と処分の見通し
恐喝罪とは
恐喝罪は、暴力をふるったり脅したりして相手を怖がらせ、お金や物を出させる犯罪です。お金や物だけでなく、借金を帳消しにさせるなど、財産上の利益を得た場合も含まれます。
| 恐喝罪 | 10年以下の拘禁刑 |
|---|---|
| 恐喝未遂罪 | お金を受け取れなかった場合でも、未遂として処罰されることがある |
POINT 恐喝罪には罰金の定めがないため、起訴されると正式な裁判になります。
恐喝になりやすいケース
| 借金の取り立て | 「払わないなら職場に乗り込む」などと言って、返済を迫る |
|---|---|
| 示談金・慰謝料の請求 | 不倫や交通事故などのトラブルで、「家族にばらす」と言って高額なお金を払わせる |
| 口止め料の要求 | 相手の秘密を知って、「黙っていてほしければ払え」と求める |
| 美人局(つつもたせ) | 交際相手などと組んで、相手を脅してお金を払わせる |
| 店や会社へのクレーム | 「ネットに書き込むぞ」などと言って、返金や金品を要求する |
正当な請求と恐喝の境目
本当に貸したお金を返してほしい、正当な慰謝料を払ってほしいという場合でも、脅すような方法で支払わせると、恐喝罪にあたる可能性があります。裁判所は、権利があるかどうかだけでなく、その方法が社会の常識から見て許される範囲を超えていないかを重視します。
POINT お金を請求するときは、冷静な言い方で行い、相手が応じない場合は、弁護士を通じた請求や裁判などの法的な手続きを使いましょう。
恐喝事件のご相談を受け付けています
相手から被害を訴えられている場合や、警察から連絡があった場合は、早めにご相談ください。
示談と処分の見通し
被害者に謝罪し、受け取ったお金を返したうえで示談が成立すれば、不起訴になったり、処分が軽くなったりする可能性が高まります。被害者は加害者と直接やりとりすることを強く拒むことが多いため、示談の交渉は弁護士を通じて行います。
逮捕された後の流れは「逮捕されている場合の刑事事件の流れ」、逮捕されずに捜査を受ける場合は「在宅事件の場合の流れと対応」で解説しています。
よくある質問
Q. 本当に貸したお金を返してもらっただけです。
正当な請求であっても、脅すような方法で支払わせた場合は、恐喝罪にあたることがあります。どのような言い方や方法だったかによって判断されるため、事情を詳しく伺って、見通しをご説明します。
Q. 受け取ったお金を返せば、許してもらえますか?
お金を返して謝罪することは、示談を進めるうえで大切です。示談が成立すれば、処分の判断で有利に考慮されます。
Q. お金を受け取る前に、相手が警察に相談しました。
お金を受け取れなかった場合でも、恐喝未遂罪として処罰されることがあります。早めにご相談ください。
まとめ
恐喝罪は、相手を脅して怖がらせ、お金や物を出させる犯罪で、刑罰は10年以下の拘禁刑です。
正当な請求でも、脅し方によっては恐喝になります。被害者への謝罪と返金、示談が処分を大きく左右します。早めにご相談ください。