調停に来ない相続人がいる|調停に代わる審判

監修:弁護士 齊藤 翔平(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)

遺産分割調停を申し立てたが、相続人の一人が、裁判所からの呼び出しに応じず、一度も出てこない。連絡はつくのに、「関わりたくない」と言って無視している。ほかの相続人の間では分け方に合意できているのに、その一人のせいで、いつまでも終わらない。こうした場合に、家庭裁判所が、出席している相続人の合意をもとに分け方を決める「調停に代わる審判」という仕組みがあります。この記事では、その仕組みと、使える場合、欠席している側が知っておくべきことを解説します。

こんな疑問はありませんか?

  • 一人が調停に来ないと、遺産分割は終わらない?
  • 調停に代わる審判とは、どんなもの?
  • 欠席している人が反対したらどうなる?
  • 欠席している側は、何をすればいい?

この記事でわかること

  • 調停に来ない相続人がいるときの3つの進め方
  • 調停に代わる審判の仕組みと、使われる場合
  • 欠席している相続人が異議を出した場合
  • 欠席している側のリスクと対応

調停に来ない相続人がいるときの進め方

相続分の譲渡・放棄をしてもらう遺産を受け取るつもりがない相続人には、相続分を譲渡または放棄してもらい、当事者から外れてもらう
調停に代わる審判出席している相続人の合意ができていて、欠席者がそれに反対する合理的な理由がないとみられる場合に、裁判所が合意の内容で審判をする
調停不成立→審判調停を不成立にして、審判に移り、裁判官が資料をもとに分け方を決める

調停に代わる審判とは

調停に代わる審判は、調停が成立しそうにないものの、当事者の大半が合意していて、裁判所がその内容を相当と認める場合に、裁判所が調停に代わって、合意の内容で分け方を決める審判です。

相続人の一人が欠席を続けていて、ほかの相続人の合意内容が公平なものであれば、裁判所はこの審判を出すことがあります。欠席者がいても、遺産分割を終わらせることができるのが、この仕組みの利点です。

POINT 調停に代わる審判が出ても、欠席していた相続人が2週間以内に異議を出せば、審判の効力はなくなり、調停は不成立として扱われ、通常の審判に移ります。異議が出なければ、審判は確定し、調停が成立したのと同じ効力を持ちます。

相続人の一部が調停に協力しない方のご相談をお受けしています
出席している相続人の合意をもとに解決する方法を含めて、進め方をお伝えします。

使われる場合

  • 欠席者以外の相続人が、分け方に合意している
  • 欠席者が取得する財産も、法定相続分を踏まえた公平なものになっている
  • 欠席者が、合意内容に反対する合理的な理由を持っていないとみられる
  • 不動産の評価について、出席者の間で合意できている

欠席者の取り分を減らすような内容では、裁判所は調停に代わる審判を出しません。欠席者にも公平な内容にすることが、この仕組みを使うための前提です。

欠席している側の方へ

調停に出席しないまま放っておくと、知らないうちに調停に代わる審判が出て、異議を出さずに2週間が過ぎれば、その内容で遺産分割が確定します。

  • 裁判所からの書類(審判書)は必ず確認し、内容に納得できなければ、2週間以内に異議を出す
  • 出席できない事情がある場合は、裁判所に連絡し、電話会議やウェブ会議での参加を相談する
  • 関わりたくない場合は、相続分の放棄や譲渡で手続きから抜ける方法もある

連絡自体が取れない場合

欠席ではなく、そもそも住所がわからない、行方不明という場合は、不在者財産管理人の選任や、公示送達などの別の手続きが必要になります。

よくある質問

Q. 欠席者に、審判の内容はどうやって伝わる?

審判書が裁判所から送達されます。受け取ってから2週間が異議の期間です。

Q. 異議が出たらどうなる?

調停に代わる審判は効力を失い、通常の審判手続きで、裁判官が分け方を決めます。

Q. 欠席者の取り分を多めにしないと、審判は出ない?

法定相続分を踏まえた公平な内容であれば足ります。欠席者を優遇する必要はありませんが、不利にすることもできません。

まとめ

調停に来ない相続人がいても、出席している相続人の合意が公平な内容であれば、家庭裁判所が「調停に代わる審判」で分け方を決めることができます。欠席者が2週間以内に異議を出せば効力はなくなり、通常の審判に移ります。欠席している側は、審判書を確認し、必要なら異議を出すことが大切です。

協力しない相続人がいて進まない方は、ご相談ください。

この記事の監修

弁護士 齊藤 翔平(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)

青山学院大学法学部卒業。
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