同意があったと思っていたのに訴えられた方へ|不同意性交等・不同意わいせつ

監修:弁護士 齊藤 翔平(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)

合意のうえだと思っていたのに、後日、相手から被害届を出された。警察から呼び出しを受けた。性犯罪の中でも、不同意性交等や不同意わいせつの事件では、「同意があったかどうか」が争いになることが少なくありません。こうした事件では、最初の対応を誤ると、自分に有利な事情があっても、それを示せなくなってしまうことがあります。この記事では、同意があったと思っている方が、まず知っておきたいことと、取るべき対応を解説します。

こんな状況ではありませんか?

  • 同意があったと思っていたのに、被害届を出された
  • 警察から呼び出しを受けている
  • 相手に連絡して、話を確かめたい
  • 取調べで、何をどう話せばいいかわからない
  • 示談をすると、罪を認めたことになる?

この記事でわかること

  • 同意があったと思っていても罪に問われる場合
  • まずやってはいけないこと
  • 残しておきたい証拠
  • 取調べへの対応と示談の考え方

同意があったと思っていても罪に問われることがある

不同意性交等罪や不同意わいせつ罪で問われるのは、相手が同意しない意思を示したり、つらぬいたりすることが難しい状態だったかどうかです。ご本人が「同意があった」と思っていても、次のような事情があると、罪に問われることがあります。

  • 相手がお酒に酔っていて、断ることが難しい状態だった
  • 職場の上下関係など、相手が断りにくい立場だった
  • 不意打ちのような形で、断るひまがなかった
  • 相手が恐怖や驚きで、体が固まっていた

また、交際相手や、以前から関係があった相手でも、罪は成立します。一方で、同意があったことを示す事情があれば、それをきちんと主張することで、嫌疑不十分で不起訴となることもあります。

まずやってはいけないこと

相手に連絡して問いただす

「なぜ訴えたのか」「同意していたはずだ」と、相手に連絡を取るのは避けてください。相手を傷つけるだけでなく、圧力をかけた、証拠を隠そうとしたと受け取られ、逮捕されるきっかけになるおそれがあります。

メッセージや写真を消す

やりとりの記録を消すと、自分に有利な証拠まで失われてしまいます。また、証拠を隠そうとしたと疑われるおそれもあります。

一人で取調べに行き、言われるままに署名する

取調べで作られる供述調書は、裁判で証拠として使われます。事実と違う内容や、ニュアンスの違う内容の調書に署名してしまうと、後から覆すのは難しくなります。

POINT 相手に連絡したり、記録を消したりする前に、すぐに弁護士に相談してください。

残しておきたい証拠

同意があったかどうかを判断するうえで、次のような記録が手がかりになります。消さずに、そのまま残しておいてください。

  • 会う前と会った後の、メッセージやSNSのやりとり
  • 通話の記録
  • 待ち合わせや移動、ホテルなどの記録(予約、領収書、位置情報など)
  • 当日、一緒にいた人や、事情を知っている人の連絡先

同意をめぐる事件のご相談を受け付けています
取調べの前にご相談いただくことが大切です。お気軽にご相談ください。

取調べへの対応

同意が争いになる事件では、取調べで何をどう話すかが、処分を大きく左右します。黙秘権があるため、話したくないことは話さなくてもかまいません。ただ、黙秘をすると、相手の話だけで判断されてしまうおそれもあります。

話すか、黙秘するか、話すとしても供述調書を作るかどうかは、事件ごとに、弁護士と相談して決めることが大切です。当事務所では、取調べでは話をするものの、供述調書は作らないという方針をとり、嫌疑不十分で不起訴となった事例もあります。

示談をするかどうか

同意があったと考えている場合、示談をすることに抵抗を感じる方も多いと思います。示談は、被害者の方との間で事件について解決する合意で、示談の内容によっては、罪を認めることを前提としない形を検討できる場合もあります。

ただ、示談を進めるかどうか、どのような形で進めるかは、証拠の状況や処分の見通しによって判断が分かれます。弁護士と見通しを立てたうえで決めましょう。

起訴された場合

起訴された場合は、裁判で、同意があったことや、相手の話に疑問があることを主張していきます。不同意性交等罪は法定刑が重いため、捜査の段階から、裁判を見すえて対応することが大切です。

よくある質問

Q. 相手がうそをついている

お気持ちはわかりますが、相手を責めたり、連絡を取ったりするのは避けてください。相手の話に疑問がある点は、証拠をもとに、弁護士が検察官に伝えます。

Q. 逮捕されることはある?

事件の内容によっては、逮捕されることもあります。相手に接触しない、記録を消さないなど、逃げたり証拠を隠したりするおそれがないことを示すことが大切です。

Q. 会社に知られずに済む?

在宅のまま捜査が進み、不起訴となれば、会社に知られずに済むこともあります。

まとめ

同意があったと思っていても、相手が断ることが難しい状態だったと判断されると、罪に問われることがあります。相手への連絡や記録の削除は避け、取調べの前に、対応を決めておくことが大切です。

同意をめぐって訴えられたら、警察に行く前に、すぐに弁護士にご相談ください。

この記事の監修

弁護士 齊藤 翔平(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)

青山学院大学法学部卒業。
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