監修:弁護士 齊藤 翔平(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)
不同意性交等罪は、法定刑が5年以上の拘禁刑という、とても重い犯罪です。起訴されると、実刑となる可能性も高くなります。一方で、「同意があったと思っていた」「お酒を飲んでいて記憶があいまい」「以前から関係があった」など、事実関係が争いになることも少なくありません。そのため、被害者の方との示談だけでなく、取調べへの対応も、結果を大きく左右します。この記事では、不同意性交等罪の内容、処分の見通し、示談、逮捕された場合の対応、弁護士費用を解説します。
不同意性交等事件でお困りの方へ
- 警察から連絡が来た
- 相手から被害届を出すと言われた
- 性交渉について、同意があったと思っている
- 家族が逮捕されてしまった
- 被害者と示談をしたい
- 前科を付けたくない
この記事でわかること
- 不同意性交等罪とは
- 処分の見通し
- 示談の大切さ
- 逮捕された場合の対応と弁護士費用
不同意性交等罪とは
不同意性交等罪が成立する場合
不同意性交等罪は、相手が同意しない意思を示したり、つらぬいたりすることが難しい状態で、性交等をする犯罪です。2023年7月の法改正で、それまでの強制性交等罪から名前と内容が変わりました。暴行や脅迫を用いた場合のほか、お酒や薬の影響がある場合、眠っているなど意識がはっきりしない場合、不意打ちや恐怖で体が固まっている場合、立場を利用した場合なども対象になります。
| 刑罰 | 5年以上の有期拘禁刑(罰金刑はない) |
|---|---|
| 性交等にあたる行為 | 性交のほか、口や肛門を使った行為、体の一部や物を挿入する行為 |
| 相手が16歳未満の場合 | 同意があっても、原則として処罰される(13歳以上16歳未満の場合は、5歳以上年上のとき) |
同意があったと思っていた場合
この犯罪で問われるのは、相手が同意しない意思を示したり、つらぬいたりすることが難しい状態だったかどうかです。ご本人が「同意があった」と思っていても、相手が断りにくい状況だったと判断されると、罪に問われることがあります。一方で、同意があったことを示す事情があれば、それをきちんと主張することが大切です。
→ 詳しくは「同意があったと思っていたのに訴えられた方へ」
飲酒していた場合
相手がお酒に酔っていて、同意しない意思を示すことが難しい状態だった場合は、この犯罪の対象になります。ご本人も酔っていて記憶があいまいな場合は、当時の状況を、やりとりの記録や周りの人の話などから確認していく必要があります。
交際相手や知人との性交渉の場合
交際相手や夫婦、以前から関係があった相手でも、この犯罪は成立します。関係があったことだけで、同意があったことにはなりません。ただし、それまでの関係ややりとりは、同意があったかどうかを判断する事情の一つになります。
こんなケースが問題になります(具体例)
不同意性交等事件では、次のようなケースで捜査を受けることがあります。
飲み会の後のケース
飲み会の後、お互いにお酒を飲んだ状態で性交渉をし、後日、相手から「酔っていて断れなかった」と被害を訴えられたケースです。当時の相手の酔いの程度や、やりとりの内容が問題になります。
マッチングアプリのケース
マッチングアプリやSNSで知り合った相手と会い、性交渉をした後、警察から呼び出されたケースです。会う前や会った後のメッセージのやりとりが、大切な手がかりになります。
交際相手と別れた後のケース
交際中に性交渉があったものの、別れた後に、相手から「本当は嫌だった」と訴えられたケースです。交際中の関係や、別れた経緯なども含めて判断されます。
風俗店でのケース
風俗店で、店のルールを超える行為をしてしまい、後日、警察から連絡がきたケースです。
処分の見通し
事件の内容や証拠で判断が変わる
起訴されるかどうかは、行為の内容、相手の状態、防犯カメラやメッセージなどの証拠、双方の話の内容などをもとに、検察官が判断します。同意があったかどうかが争われる事件では、証拠関係が特に重要になります。
被害者との関係性も重要
初対面の相手か、以前から関係があった相手かなど、被害者の方との関係性も、判断の事情になります。
示談が成立しても必ず不起訴になるわけではない
示談は、処分の判断に大きく影響します。ただし、行為が悪質な場合などは、示談が成立しても起訴されることがあります。法定刑が5年以上の拘禁刑と重いため、起訴されると、執行猶予が付きにくく、実刑となる可能性も高くなります。
不同意性交等では示談が重要
被害者への謝罪
罪を認めている場合は、被害者の方への謝罪が出発点になります。被害者の方の苦痛は大きく、謝罪の気持ちは、弁護士を通じて、お気持ちに配慮しながらお伝えします。
示談交渉
弁護士が、警察や検察官を通じて示談を申し入れ、被害者の方の了解が得られれば、示談金や条件について話し合います。示談は、早い段階で動き始めるほど、まとまりやすい傾向があります。
示談成立と不起訴処分の関係
示談が成立し、被害者の方が許す意思(宥恕)を示してくださった場合は、不起訴となる可能性が高くなります。当事務所でも、示談が成立して不起訴となった事例があります。
被害者への直接連絡を避ける必要性
本人やご家族が、被害者の方に直接連絡を取ることは、絶対に避けてください。被害者の方を傷つけ、示談が難しくなるだけでなく、圧力をかけたと受け取られ、逮捕や勾留の理由になってしまうおそれもあります。
→ 詳しくは「埼玉で被害者と示談したい方へ」
不同意性交等事件のご相談を受け付けています
ご本人からも、ご家族からもご相談いただけます。取調べの前に、まずはご相談ください。
逮捕された場合の対応
早期の接見
逮捕されたご本人は、ご家族と自由に連絡を取ることができません。弁護士がすぐに接見し、事件の内容を確認して、取調べへの対応をアドバイスします。
身柄解放に向けた活動
検察官や裁判官に、勾留の必要がないことを伝える意見書を出し、早い釈放を目指します。勾留を防ぐための活動ができるのは、逮捕から最長72時間の間で、この間は国選弁護人が付きません。
取調べへの対応
事実関係に争いがある場合は、取調べで何をどう話すかが、処分を大きく左右します。事実と違う内容の供述調書には署名せず、話し方や黙秘するかどうかは、弁護士と相談して決めることが大切です。
不起訴に向けた活動
罪を認めている場合は示談交渉を、争いがある場合は、同意があったことを示す事情を検察官に伝えるなど、事件に合わせて不起訴に向けた活動を行います。
POINT ご家族が逮捕されたら、すぐに私選弁護人に相談してください。早く動くほど、取れる手段が広がります。
→ 詳しくは「早期釈放のための手続き」
弁護士費用
| 在宅事件 | 着手金:34万1000円〜 報酬金:33万円〜 |
|---|---|
| 逮捕・身柄事件 | 着手金:45万1000円 身柄解放の報酬金:22万円〜 処分結果の報酬金:33万円〜 接見は5回まで着手金に含みます(6回目以降は1回3万3000円) |
事件の内容によって金額は変わります。ご依頼の前に、必ずお見積りをご説明します。
→ 詳しくは「刑事事件の弁護士費用」
当事務所の解決事例
- 【不同意性交等】同意があったと主張し、嫌疑不十分で不起訴になった事例
- 【不同意性交等】逮捕後、依頼から4日で示談が成立し、釈放・不起訴になった事例
- 【不同意性交等】風俗店での事件で示談が成立し、不起訴になった事例
よくある質問
Q. 同意があったのに訴えられた
同意があったことを示すやりとりの記録などは、消さずに残しておいてください。取調べの前に弁護士と相談し、話し方や供述調書への対応を決めることが大切です。
Q. 示談金はいくらくらい?
行為の内容や、被害者の方のお気持ちによって大きく異なります。弁護士が、これまでの事例をふまえて話し合います。
Q. 会社に知られずに済む?
逮捕されずに在宅で捜査が進んだり、早く釈放されたりすれば、知られずに済むこともあります。
まとめ
不同意性交等罪は、法定刑が5年以上の拘禁刑と重く、起訴されると実刑となる可能性も高い犯罪です。示談とあわせて、取調べへの対応が結果を大きく左右します。
警察から連絡があったら、または、ご家族が逮捕されたら、取調べの前に、すぐに弁護士にご相談ください。