監修:弁護士 齊藤 翔平(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)
警察から事情を聞かれた。被害届が出されたと言われた。ご家族が不同意わいせつの容疑で逮捕された。不同意わいせつ罪には罰金刑がなく、起訴されると、正式な裁判を受けることになります。だからこそ、早い段階で示談に向けて動けるかどうかが、結果を大きく左右します。この記事では、不同意わいせつ罪の内容と刑罰、示談の進め方、逮捕された場合や同意があったと考えている場合の対応を解説します。
こんな疑問はありませんか?
- 警察から事情を聞かれた
- 被害届が出されたと言われた
- 家族が逮捕された
- 裁判になるのを避けたい
- 同意があったと思っている
この記事でわかること
- 不同意わいせつ罪とは
- 起訴されると裁判になる理由
- 示談の進め方
- 逮捕された場合・否認する場合の対応
不同意わいせつ罪とは
不同意わいせつ罪は、相手が同意しない意思を示したり、つらぬいたりすることが難しい状態で、わいせつな行為をする犯罪です。2023年7月の法改正で、それまでの強制わいせつ罪から名前と内容が変わりました。
次のような状態を利用した場合などが対象になります。
- 暴行や脅迫を用いた場合
- お酒や薬の影響がある場合
- 眠っているなど、意識がはっきりしない場合
- 不意打ちで、同意しない意思を示すひまがない場合
- 恐怖や驚きで、体が固まってしまっている場合
- 職場の上下関係など、立場を利用した場合
| 刑罰 | 6か月以上10年以下の拘禁刑(罰金刑はない) |
|---|---|
| 相手が16歳未満の場合 | 同意があっても、原則として処罰される(13歳以上16歳未満の場合は、5歳以上年上のとき) |
| けがをさせた場合 | 不同意わいせつ致傷罪として、無期または3年以上の拘禁刑 |
起訴されると裁判になる
痴漢や盗撮の多くは、起訴されても略式起訴で罰金となることがあります。しかし、不同意わいせつ罪には罰金刑がないため、起訴されると、公開の法廷で正式な裁判を受けることになります。
POINT 不同意わいせつ事件で、裁判や前科を避けるために、もっとも大切なのは被害者の方との示談です。示談が成立すれば、不起訴となる可能性があります。
示談の進め方
示談は弁護士を通じて進める
被害者の方の連絡先は、警察や検察から加害者本人に教えてもらえることは、通常ありません。被害者の方も、加害者本人とのやりとりを望まないことがほとんどです。弁護士であれば、警察や検察を通じて示談を申し入れ、被害者の方と話し合いを進めることができます。
示談は早いほどまとまりやすい
謝罪や示談の申し入れが遅れると、被害者の方の処罰を求める気持ちが強くなったり、「謝る気がない」と受け取られたりすることがあります。警察から連絡がきた段階や、事情を聞かれた段階で、示談に向けて動き始めることが大切です。
被害者の方のお気持ちを大切に
示談交渉では、こちらの言い分を一方的に伝えるのではなく、被害者の方のお気持ちを丁寧に伺うことが欠かせません。示談に応じるかどうかは被害者の方のお気持ちによるため、必ず成立するとは限りません。
→ 示談の進め方は「埼玉で被害者と示談したい方へ」
→ 詳しくは「不起訴になるには」
不同意わいせつ事件のご相談を受け付けています
ご本人からも、ご家族からもご相談いただけます。早い段階でご相談いただくほど、取れる手段が広がります。
逮捕された場合の対応
不同意わいせつ事件は、行為の内容にもよりますが、逮捕されたら必ず勾留されるという事件ではありません。裁判所に適切な資料を出すことで、早く釈放されることもあります。
POINT 勾留を防ぐための活動ができるのは、逮捕から最長72時間の間で、この間は国選弁護人が付きません。ご家族が逮捕されたら、すぐに私選弁護人に相談してください。
→ 詳しくは「早期釈放のための手続き」
同意があったと考えている場合
ご本人は同意があったと考えているのに、相手から被害を訴えられることもあります。このような事件では、取調べでの話し方や、供述調書の内容が、処分を大きく左右します。
- 事実と違う内容の供述調書には、署名しない
- 取調べで何をどう話すかは、警察に行く前に弁護士と相談する
- 同意があったことを示す、やりとりの記録などを消さずに残しておく
→ 詳しくは「同意があったと思っていたのに訴えられた方へ」
当事務所の解決事例
当事務所では、不同意わいせつや不同意性交等の事件で、不起訴となった事例があります。
- 【不同意わいせつ】バーで見知らぬ人にキスをした事件で、不起訴になった事例
- 【不同意わいせつ】逮捕後、勾留の翌日に釈放され、不起訴になった事例
- 【不同意性交等】同意があったと主張し、嫌疑不十分で不起訴になった事例
- 【不同意性交等】逮捕後、依頼から4日で示談が成立し、釈放・不起訴になった事例
よくある質問
Q. お酒に酔って覚えていない
覚えていない場合でも、防犯カメラの映像などから事実関係がわかることがあります。どう対応するかは、状況を確認しながら弁護士と相談しましょう。
Q. 示談金はいくらくらい?
行為の内容や、被害者の方のお気持ちによって大きく異なります。弁護士が、これまでの事例をふまえて、被害者の方と話し合います。
Q. 裁判になったらどうなる?
起訴されると正式な裁判になりますが、初めての事件で示談が成立している場合などは、執行猶予が付くこともあります。
まとめ
不同意わいせつ罪には罰金刑がなく、起訴されると正式な裁判になります。裁判や前科を避けるために、もっとも大切なのは、早い段階での示談です。
警察から連絡があったら、または、ご家族が逮捕されたら、すぐに弁護士にご相談ください。