腰の痛み(腰椎捻挫)の後遺障害|認定される等級とポイント

監修:弁護士 佐藤 都(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)

追突事故のあと、首だけでなく腰にも痛みが出て、何か月たっても治らない。長く座っていると腰がつらく、足にしびれが出ることもある。交通事故による腰の痛みは、首のむちうちと同じように、後遺障害の対象になることがあります。

腰椎捻挫(腰のむちうち)でも、症状が残り、医学的に説明や証明ができれば、14級や12級が認められる可能性があります。この記事では、腰の痛みで認定される可能性がある等級と、認定のポイントを解説します。

こんな疑問はありませんか?

  • 腰の痛みでも、後遺障害は認められる?
  • 足のしびれも残っている
  • どんな検査を受けておけばいい?
  • ヘルニアは加齢のせいと言われた
  • 首と腰の両方が痛い場合は?

この記事でわかること

  • 腰椎捻挫で認定される可能性がある等級
  • 認定のポイントと必要な検査
  • 慰謝料の目安
  • 首と腰の両方に症状がある場合

腰椎捻挫で認定される可能性がある等級

12級13号腰の痛みや足のしびれが、画像や神経学的検査で医学的に証明できる場合
14級9号腰の痛みや足のしびれが、事故の状況や治療の経過から医学的に説明できる場合

首のむちうちと同じく、多くは14級が問題になりますが、ヘルニアなどの画像所見があり、症状と一致する場合には、12級が認められることもあります。

認定のポイントと必要な検査

  • 事故の直後から、腰の痛みを医師に伝え、カルテに残してもらう
  • MRIで、椎間板や神経の状態を確認する
  • 足を伸ばしたまま持ち上げる検査(SLRテスト)など、神経の検査を受ける
  • 足のしびれの範囲や、筋力・感覚の低下を記録してもらう
  • 症状固定まで、継続して通院する

POINT 腰の痛みは、事故から少し遅れて出てくることもあります。痛みが出たら、早めに医師に伝え、「事故による痛み」として記録してもらうことが大切です。腰の痛みが続くときは、症状固定の前に弁護士にご相談ください。

腰の痛みの後遺障害のご相談を受け付けています
通院の状況や検査の結果を伺い、認定の見通しをご説明します。

ヘルニアと加齢による変化

MRIで椎間板ヘルニアが見つかると、「12級になるのでは」と考える方も多いと思います。ただ、椎間板ヘルニアや椎間板の変性は、年齢とともに、事故にあっていない人にも多く見られる変化です。そのため、画像に異常があっても、それが事故によるものか、事故の前からの加齢による変化かの区別が難しいことがあります。

保険会社や自賠責保険の審査では、ヘルニアを「加齢による変化」と判断して、12級を認めなかったり、賠償額を減らすべきだ(素因減額)と主張されたりすることがあります。一方で、加齢による変化が年齢相応の程度であれば、賠償額は減らされないと判断されることも多くあります。

事故との関係を示すために

  • 事故の前に、腰の痛みで通院していなかったことを示す
  • 事故の直後から、腰の痛みや足のしびれが続いていることを、カルテに残してもらう
  • 事故からできるだけ早い時期に、MRIを撮影しておく
  • 画像の異常と、痛みやしびれが出ている場所が一致していることを、医師に確認してもらう
  • 必要に応じて、事故との関係について、医師に意見書を書いてもらう

POINT ヘルニアが事故によるものか、加齢による変化かの判断は、医学的な資料の集め方で結果が変わることがあります。保険会社から「加齢によるもの」と言われたら、すぐに弁護士にご相談ください。

慰謝料の目安

12級後遺障害慰謝料(弁護士基準):290万円
14級後遺障害慰謝料(弁護士基準):110万円

このほかに、逸失利益(将来の収入の減少分)も請求できます。計算のしかたは「後遺障害の逸失利益とは」をご覧ください。

首と腰の両方に症状がある場合

首と腰の両方に痛みが残っている場合は、それぞれについて後遺障害の認定を求めることができます。それぞれ14級が認められた場合でも、全体として14級として扱われることが多く、金額がそのまま2倍になるわけではありません。

よくある質問

Q. 整骨院にしか通っていない

後遺障害診断書を書けるのは医師だけです。整形外科への通院も続けておかないと、認定は難しくなります。

Q. 事故の前から腰痛があった

事故の前からの腰痛がある場合は、事故によって症状が悪化したかどうかが問題になります。事故前の通院の有無なども含めて、整理が必要です。

Q. 腰の骨折がある場合は?

腰椎の圧迫骨折などがある場合は、背骨の変形などとして、より上の等級が問題になることがあります。詳しくは「背骨の圧迫骨折の後遺障害」をご覧ください。

まとめ

腰椎捻挫でも、症状が残り、医学的に説明や証明ができれば、14級や12級が認められる可能性があります。

早めの受診と、継続した通院、必要な検査が大切です。腰の痛みが続くときは、症状固定の前に、弁護士にご相談ください。

この記事の監修

弁護士 佐藤 都(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)

上智大学法学部、北海道大学法科大学院卒業。
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