監修:弁護士 齊藤 翔平(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)
お子さまが警察に逮捕された、事件のことで警察から連絡があった。保護者の方にとって、これほど不安なことはないと思います。20歳未満の少年が起こした事件は「少年事件」として、大人の刑事事件とは違う手続きで進みます。この記事では、少年事件の流れと、保護者の方ができることを詳しく解説します。
子どもが事件を起こしてしまったとき、保護者の方は「自分の育て方が悪かったのか」と自分を責めてしまいがちです。ただ、少年事件では、これからどう立ち直るかが何より重視されます。保護者の方の関わり方次第で、子どもの将来は大きく変わります。
こんな疑問はありませんか?
- 子どもが逮捕された。これからどうなる?
- 少年院に行くことになる?
- 学校には知られる?
- 保護者は、何をすればいい?
- 前科はつく?
この記事でわかること
- 少年事件の流れ
- 少年審判で決まる処分の種類
- 弁護士(付添人)と保護者ができること
少年事件とは
20歳未満の少年が罪を犯した事件は、少年事件として扱われます。少年事件では、罰を与えることよりも、少年が立ち直り、再び事件を起こさないようにすること(更生)が重視されます。
POINT 18歳・19歳の少年は「特定少年」として、17歳以下の少年とは一部異なる扱いになります。一定の重い事件では、大人と同じ刑事裁判を受けることになる場合があります。
少年事件の流れ
- 警察の捜査(逮捕・勾留されることもある)
- 事件が家庭裁判所に送られる(原則として、すべての事件が送られる)
- 必要に応じて、少年鑑別所に入る(観護措置。原則2週間、最長8週間)
- 家庭裁判所の調査官が、少年や保護者から話を聞く(調査)
- 少年審判が開かれ、処分が決まる
お子さまの事件のご相談を受け付けています
保護者の方からのご相談をお受けしています。できるだけ早くご連絡ください。
少年審判で決まる処分の種類
- 不処分・審判不開始:特に処分をしない
- 保護観察:社会の中で生活しながら、保護観察官などの指導を受ける
- 少年院送致:少年院で生活しながら、教育を受ける
- 検察官送致:大人と同じ刑事裁判を受ける
どの処分になるかは、事件の内容だけでなく、少年の反省の度合いや、家庭・学校などの環境も考慮して決められます。
弁護士(付添人)ができること
- 逮捕直後から接見し、取調べへの対応をアドバイスする
- 少年鑑別所に入らずに済むよう、裁判所に働きかける
- 家庭や学校、職場の環境を整える手伝いをする(環境調整)
- 被害者への謝罪と被害の弁償を進める
- 少年審判で、少年の立ち直りに向けた意見を述べる
家庭裁判所に事件が送られた後、弁護士は「付添人」として、少年の立ち直りを支える活動をします。
保護者の方ができること
- 少年の話をよく聞き、事件と向き合う手助けをする
- 家庭での生活のルールや、見守りの体制を考える
- 学校や職場との関係について、弁護士と相談しながら対応する
POINT 少年審判では、保護者が少年をどのように支えていくかも重視されます。保護者の方の関わりが、処分の判断に影響することもあります。
専門サイトでも詳しくご案内しています
当事務所の刑事事件の専門サイトでも、「少年事件について」として詳しくご案内しています。あわせてご覧ください。
大人の事件との主な違い
| 手続きの目的 | 大人:罰を科すこと/少年:立ち直り(更生)を支えること |
|---|---|
| 事件の行き先 | 大人:検察官が起訴・不起訴を決める/少年:原則としてすべて家庭裁判所に送られる |
| 弁護士の役割 | 大人:弁護人/少年:家庭裁判所の段階では付添人として活動する |
よくある質問
Q. 少年事件でも、前科はつきますか?
少年審判で保護処分を受けても、前科にはなりません。ただし、検察官に送られて刑事裁判で有罪になった場合は、前科がつきます。
Q. 少年事件のことは、報道されますか?
少年の名前や顔写真など、本人が特定される報道は、原則として禁止されています。ただし、18歳・19歳で起訴された場合は、例外があります。
Q. 子どもが話をしてくれません。
保護者に話しにくいことも、弁護士には話せることがあります。弁護士が接見して、子どもの気持ちを聞き取ります。
まとめ
少年事件は、少年の立ち直りを重視した、大人とは違う手続きで進みます。
早い段階から弁護士が関わることで、取れる手段が増えます。まずはご相談ください。