監修:弁護士 和田 慈朗(埼玉弁護士会所属/大宮ありあけ法律事務所)
父の遺言で家と預金を相続したところ、弟の代理人の弁護士から「遺留分として2,000万円を支払ってください」という内容証明郵便が届いた。相続した財産のほとんどは家で、すぐに支払えるお金はない。そんなご相談をいただくことがあります。
遺留分を請求された場合でも、請求の内容がすべて正しいとは限りません。請求する権利があるか、金額の計算が正しいか、期限が過ぎていないかなどを確認することが大切です。
この記事では、遺留分を請求されたときの確認ポイントと、支払いが難しいときの対応を解説します。
こんな疑問はありませんか?
- 遺留分を請求する内容証明が届いた
- 請求された金額は、本当に正しい?
- 相続したのは家だけで、払うお金がない
- 請求を無視したらどうなる?
この記事でわかること
- 遺留分を請求されたときに、まず確認すること
- 請求された金額が正しいかの確認のしかた
- 支払いが難しいときの対応
- 弁護士に依頼するメリット
まず確認すること
- 請求してきた人に、そもそも遺留分があるか(亡くなった方の兄弟姉妹には遺留分はありません)
- 請求の期限(遺言や贈与を知った時から1年、相続が始まってから10年)が過ぎていないか
- 請求されている金額の計算が正しいか
内容証明郵便が届いても、すぐに支払ったり、金額を認めたりせず、まずは内容を確認しましょう。一方で、無視をすると、調停や訴訟を起こされるおそれがあります。
請求された金額が正しいかの確認
遺留分の金額は、遺産の評価のしかたや、生前贈与の扱いなどによって変わります。
- 不動産や株式の評価額が、高すぎないか
- 亡くなった方の借金が、差し引かれているか
- 請求してきた相続人自身が、生前に多額の贈与(特別受益)を受けていないか
- 請求してきた相続人が、遺言などで受け取った財産が考慮されているか
POINT 請求してきた相続人が、亡くなった方から生前に多額の贈与を受けていた場合は、その分が遺留分の計算に影響し、支払う金額が減ることがあります。
遺留分を請求された方のご相談を受け付けています
届いた書面をお持ちいただければ、請求の内容が正しいかを確認します。
支払いが難しいとき
遺留分侵害額請求は、原則としてお金で支払う必要があります。遺産のほとんどが不動産で、すぐに支払うお金がない場合は、次のような方法を検討します。
- 分割での支払いを話し合う
- 不動産を売却して、その代金から支払う
- 裁判所に、支払いまでの期限を猶予してもらうよう求める
裁判では、事情によって、支払いまでの期限を猶予してもらえる場合もあります。
弁護士に依頼するメリット
弁護士に依頼すれば、請求の内容が正しいかの確認から、金額の交渉、調停や訴訟への対応まで任せることができます。相手方と直接やりとりする必要もなくなります。
遺留分の弁護士費用
当事務所に遺留分を請求された方の対応をご依頼いただく場合の弁護士費用は、次のとおりです。交渉から家庭裁判所の調停まで、追加の着手金なしで対応します。
| 着手金 | 33万円(交渉・調停まで含みます) |
|---|---|
| 期日費用 | 調停の期日は5回目まで着手金に含みます。6回目以降は1回につき3万3000円 |
| 報酬金 | 減額できた金額の11%(最低報酬金33万円) |
| 事務手数料 | 3万3000円 |
※金額はすべて税込です。収入印紙代などの手続きの実費は、事務手数料に含まれています。調停でまとまらず訴訟になる場合の費用は、ご事情を伺ってお見積りします。
よくある質問
Q. 遺言を書いた親の意思なのに、払わないといけないのですか?
遺留分は、遺言があっても、一定の相続人に保障されている取り分です。遺言の内容にかかわらず、請求されれば、原則として応じる必要があります。
Q. 請求された後に、家を売ってしまってもいいですか?
売却すること自体はできますが、売却の時期や価格が、遺留分の計算や交渉に影響することもあります。売却の前にご相談ください。
Q. 相手と直接話したくありません。
弁護士が代理人として、相手とのやりとりを行います。
まとめ
遺留分を請求されたら、請求する権利があるか、金額が正しいかを確認することが大切です。
支払いが難しい場合も、分割払いや期限の猶予などの方法があります。支払う前に、届いた書面を持って弁護士にご相談ください。